OTA手数料の一覧と相場|主要予約サイトと代行会社に払う分
「どの予約サイトの手数料が高いのか」は、よく聞かれる質問です。
ただ、単純に率だけで比べても意味がありません。 媒体ごとに、
かかる対象も、支払いの流れも、そもそも連れてくるお客様も違うからです。
この記事では、比べるときに見るべき軸を整理します。
比べるときに見る4つの軸
1. 料率
売上に対して何%か。ただし後述のとおり、同じ媒体でもプランや契約で変わります。
セール枠や特集枠に出た分だけ上乗せされる形が多く、通年で一定とは限りません。
2. 何に対してかかるか
宿泊料金のみか、食事や入湯税を含むか。ここが違うと、同じ料率でも負担額が変わります。
プランに組み込んで売っているものには全部かかる、と考えると分かりやすいところです。
3. 税抜きか税込みか
海外の媒体は税抜きの金額で計上されることが多く、
国内の媒体と単純に比べると差が出ます。月次で売上を突き合わせるとき、
数字が1割ずれるのはたいていこれが原因です。
4. 支払いの流れ
宿が客から受け取って後で手数料を払うのか(国内OTAに多い)、
媒体が先に受け取って手数料を引いて宿に振り込むのか(海外OTAに多い)。
後者は入金までの期間が長くなり、資金繰りに影響します。
率が同じでも、入金が2ヶ月遅れる媒体は、実質的な負担が違います。

手数料で自館が動かせるのは、この3つ
主要媒体の性格
| 媒体 | 手数料率 | 性格 |
|---|---|---|
| じゃらんnet | (契約書の数字を記入) | 国内最大級。セール参加で率が上がることがある。ポイント負担が別途 |
| 楽天トラベル | (同上) | 楽天ポイント経済圏の集客力。ポイント施策の負担が別建て |
| 一休.com/Yahoo!トラベル | (同上) | 上位価格帯に強い。料金の整合(パリティ)を厳しく見る |
| Relux | (同上) | 審査制。高単価帯 |
| Booking.com | (同上) | インバウンドの主力。国内OTAより率は高い傾向 |
| Expedia | (同上) | 同上。海外の販売網が広い |
| Trip.com | (同上) | 中華圏に強い。部屋単位の料金設定が必要で運用が別建てになる |
| JTB(PICS) | (同上) | 送客とパッケージ。仕組みが国内OTAと異なる |
| 自社予約サイト | 0%(システム利用料のみ) | 送客手数料がかからない唯一の経路 |
表の最後の行が、この記事でいちばん伝えたい点です。
自社予約サイトにも、予約システムの利用料やカード決済の手数料はかかります。
ただし、それは売れた分だけ比例して増える送客手数料とは性質が違います。
売上が伸びるほど、1件あたりの負担は軽くなっていきます。
海外OTAの率が高くなりやすい理由
海外の媒体は、国内OTAより率が高い傾向があります。理由は主に3つです。
- 販売網の広さ。 世界中の利用者に対して在庫を出しているため、集客にかけている費用が大きい
- 媒体が決済を持つ形が多い。 客からの回収・返金・トラブル対応まで媒体側が負っています
- 表示・翻訳・問い合わせ対応を媒体が担う。 宿側で多言語対応を用意しなくても売れる状態になります
つまり、率の差は「割高だから」ではなく、媒体が肩代わりしている範囲の差でもあります。
自分の宿がその範囲を自前で用意できるのか、を基準に考えると判断しやすくなります。
「高い媒体をやめる」は、たいてい間違いです
料率が高い媒体を切れば手数料は減ります。ただし、その媒体が連れてきていた予約も消えます。
判断は率ではなく、その媒体が無かった場合に、その予約が他の経路で入ったかで行います。
- 国内OTAと客層が重なっている媒体 → 減らしても他が拾う可能性がある
- インバウンド専用の媒体 → 切ると、その客層は丸ごと消えます
海外OTAは率が高いですが、国内OTAでは取れないお客様を連れてきます。
率だけを見て切ると、埋まらない日が増えて結局単価を下げることになります。
減らすかどうかを決める手順
- 媒体別に、直近12ヶ月の売上・件数・平均単価を出す\
- 全体に占める比率を出す。 比率5%の媒体と40%の媒体では、同じ料率でも意味が違います\
- その媒体だけで入っている客層があるかを見る(インバウンド、法人、特定の年齢層など)\
- 減らすと決めたら、いきなり止めずに在庫の配分から下げる\
- 3ヶ月後に、他の媒体が拾ったかを同じ表で確認する
5番目まで必ずやってください。
「減らした結果どうなったか」を見ないと、次の判断で同じ迷い方をします。
代行会社に払う分の相場
運用を外部に委託する場合、費用の形は主に3つです。
| 形 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| 売上に対する料率 | 売れれば増え、売れなければ減る | OTA手数料に上乗せで乗るため、合計の負担が大きくなりやすい |
| 定額 | 予算が読める | 売上が伸びても費用が変わらないので、伸びたときに有利 |
| 初期費用+月額 | 立ち上げに手がかかる場合 | 初期に何をするのかを明記させる |
一般に、売上に対する料率での代行は5%前後が相場とされています。
OTAへの手数料と合わせると、売上の2割前後が外部に出ていく計算になります。
売上が伸びる見込みがあるなら定額、
立ち上げ期で売上が読めないなら料率、と考えると選びやすくなります。
費用の「額」ではなく「中身」を見る
同じ金額でも、やっていることは会社によって大きく違います。確認すべきは次の点です。
- 月に何回、管理画面に入っているか
- 料金と在庫を、どういう考え方で決めているか
- プランを新しく作っているか(何年も同じプランのままではないか)
- 販売期間の延長を、切れる前にやっているか
- 月次で何を報告しているか(作業報告だけでなく、数字と次の方針があるか)
- OTAから届く販促の案内について、買うべきか見送るべきかを判断してくれるか
「月に一度、料金を入れるだけ」で売上の5%なら、見直す価値があります。
よくある間違い
- 手数料の安い媒体に在庫を寄せる。 率ではなく、その媒体が実際に売っている額で判断します
- 代行費を金額だけで比べる。 安い代行は作業量も少ないことが多く、結果として売上が落ちます
- 契約書を読み返さないまま何年も続ける。 自動更新と解約通知の期限は、必ず一度確認してください
まとめ
- 料率だけで媒体を比べない。対象・税の扱い・入金までの期間まで見る
- 高い媒体を切る判断は、その予約が他で拾えるかで決める
- 送客手数料ゼロの経路(公式サイト・Googleマップ・LINE)の比率を上げるのが本質的な対策
- 代行費は額でなく中身で判断する