Googleマップの低評価への対応|口コミを3つに分類する

宿の達人 編集部

Googleマップは、一度低い評価がつくとなかなか上げられません。
理不尽に思える口コミで落ち込んだ経験は、どの宿にもあると思います。

ですが、短期間で評価を上げるのに最も効果的な方法が、一つだけあります。
非常に基本的なのに、なぜか軽視されがちなやり方です。

それは、低評価を「3つに分類してから」動くことです。

口コミは「見る」だけでは対応できない

多くの宿が「見てはいるけれど、忙しくて返信まで手が回らない」という状態です。

そして、よく読むとお客様ごとにまったく違うことが書かれています。

  • 部屋が寒い
  • お風呂が熱すぎる
  • 部屋が汚い
  • 料理が少ない

これでは「どれに対応すればいいのか」と迷って当然です。
そして迷った結果、いちばん声の大きい1件にだけ反応して終わるということが起こります。

低評価は、1件ずつ潰そうとすると終わりません。
同じ原因の口コミをまとめてから、原因ごとに手を打つ。 順番はこれだけです。

低評価の口コミは、原因を3つに分類してから動きます

低評価の口コミは、原因を3つに分類してから動きます

実例:評価3.2の旅館で見つかった3つの問題

ある旅館の事例です。Googleマップの評価が3.2で低迷していました。

口コミを分析すると、主に3つの問題が浮かび上がりました。

  1. 施設が古い\
  2. Wi-Fiが遅い\
  3. スタッフの対応が悪い

最初は「全部直さなければ」と考えていたそうです。
ですが分析を進めると、この3つには優先順位があり、対応の種類も違うことが分かりました。

分類1|あえて直さず、説明を工夫するもの

「施設が古い」という声は確かに多くありました。
ですが、詳しく読んでみると、「古さを感じるけれど、それも風情があって良かった」
という書き方をしている人が少なくなかったのです。

つまり、古さそのものが問題なのではなく、説明不足による期待とのギャップが問題でした。

そこでこの旅館では、

  • 公式サイトとGoogleマップの説明文に

「歴史ある建物ならではの風情をお楽しみいただけます」という一文を追加

  • 予約時の案内メールでも、建物の来歴と魅力をあらかじめ伝える

これだけで、古さをマイナスではなく、むしろ魅力として伝えられるようになりました。

建物は直していません。伝え方を変えただけです。

ここに分類される問題は、たいてい投資しても直らないものです。
建物の築年数、立地、部屋の広さ、駅からの距離。
これらを設備投資で解決しようとすると、金額が桁違いになります。
直せないものは、直さずに先に伝える。 それだけで低評価は減ります。

分類2|すぐに直すもの

「Wi-Fiが遅い」は、特にビジネス利用のお客様から多く指摘されていました。
これは早急に手を打つ必要があります。

  • 館内の共用スペースにアクセスポイントを増設
  • 光回線を高速プランに切り替え
  • 念のため、フロントにポケットWi-Fiを数台用意し、

通信環境を特に気にされるお客様には無料で貸し出す

追加の投資は月額1万円程度でしたが、評価の改善に大きく貢献しました。

この分類の見分け方は簡単です。
「お金と時間の見積もりがすぐ出せるか」。
Wi-Fi、アメニティ、寝具、清掃の手順、館内表示。
数万円以内・1ヶ月以内で解決できるなら、議論せずに直したほうが早いものがほとんどです。

分類3|時間をかけて直すもの

「スタッフの対応が悪い」という口コミは、
よく見ると特定の時間帯・特定のスタッフに集中していました。

そこで、

  • チェックインの時間帯に経験のあるスタッフを配置するようシフトを変更
  • 接客マニュアルを刷新
  • 週に一度のミーティングで、良い口コミも悪い口コミも共有する時間を設ける

結果、わずか数週間でスタッフ対応に関する評価が大きく改善しました。

3つ目の「口コミを共有する」が、特に効きます。
自分たちの接客がどう受け取られているかが分かると、意識が変わるためです。

なお、この分類は個人を責める場にしてはいけません。
名指しの叱責を始めた瞬間に、現場は口コミを隠すようになります。
共有するのは「どの時間帯に、どんな場面で起きたか」までにとどめてください。

自館でやる分類の手順

やることは4ステップです。特別なツールは要りません。

1. 直近1年ぶんの低評価を書き出す

星3以下だけで構いません。表計算ソフトに、投稿月・星の数・書かれている不満の3列で並べます。
古い口コミまで遡ると、すでに解決済みの問題に振り回されます。1年で十分です。

2. 不満を「同じ意味のもの」でまとめる

言い回しが違っても、中身は数種類しかありません。
「部屋が寒い」「暖房が効かない」は同じ1件です。
まとめ終わると、たいてい3〜5種類に収束します。

3. 各グループを3つに振り分ける

分類判断の目安対応
すぐ直す数万円以内・1ヶ月以内で解決できるその場で直す
時間をかけて直す人・シフト・教育に関わる仕組みで直す
直さず説明する建物・立地など構造的に変えられない伝え方を変える

4. 件数の多い順に、上から3つだけ着手する

全部やろうとすると止まります。件数が多いものから3つです。
残りは、その3つが片付いてから見直せば構いません。

「直さず説明する」を実行する場所

分類3つのうち、いちばん取りこぼされるのがこれです。
伝え方を変えると決めたら、次の4か所すべてに同じ文言を入れてください。

  • 公式サイトの該当ページ
  • Googleマップのビジネス情報の説明文
  • 各OTAの施設紹介文・プラン説明文
  • 予約確定メール、直前の案内メール

1か所だけ直しても、そこを見ていないお客様には届きません。
低評価が生まれるのは、いちばん情報の少ない導線から予約した人です。

口コミへの返信をどう書くか

返信は「反論の場」ではなく、これから予約を検討している人が読む場所です。
書くときは次の3点だけ守れば十分です。

  • 事実の誤りだけは、静かに訂正する(感情的な反論はしない)
  • 直したものは「直しました」と書く。検討中の人にはこれが最も効きます
  • 直さないと決めたものは、理由と価値を書く(「歴史ある建物のため〜」)

すべての口コミに返信する必要はありません。
低評価と、内容の濃い高評価から始めてください。

3ヶ月で3.2 → 4.3

このように、

  • すぐ直せる設備の問題 → 直す
  • 人に関する問題 → 時間をかけて仕組みで直す
  • 構造的で直せない問題 → 直さず、説明を工夫する

と分類して対策を立てた結果、3ヶ月で評価が4.3まで回復しました。

ここで見落とされがちなのは、平均評価は「下がる原因を止める」だけでは戻りにくいということです。
低評価の発生を止めたうえで、新しい高評価が積み上がって初めて数字が動きます。
分類と並行して、良い口コミを増やす働きかけも走らせてください。

よくある間違い

  • 1件ずつ順番に対応する。 原因でまとめないと、同じ不満が翌月も出ます
  • いちばん腹が立った口コミから手をつける。 着手順は感情ではなく件数で決めます
  • 全部を設備投資で解決しようとする。 直せないものにお金をかけると、金額だけが膨らみます
  • 分類をスタッフに共有しない。 現場が理由を知らないと、対応がすぐ元に戻ります
  • 返信で反論する。 読んでいるのは投稿者本人ではなく、これから予約する人です

まとめ

  • 口コミはバラバラに見えるが、分類すると3種類しかない
  • 「直せない問題」は、直すのではなく期待値の伝え方で解決する
  • 人の問題は、口コミをスタッフ全員で共有することから始まる
  • 着手は件数の多い順に3つだけ。全部やろうとすると止まる
  • 評価は「上げる」のではなく、下がる原因を1つずつ潰すもの