Googleマップの口コミ評価を上げる方法|期待値のコントロール

宿の達人 編集部

Googleマップで宿を探すとき、まず目に入るのは星の数です。
そして旅行者は、4.0を下回る施設を避ける傾向があります。

一度ついた低い評価を上げるのは大変です。
ですが、そもそも悪い評価がつかないようにする方法があります。

低評価の本質は、たった一つ

答えは期待値のコントロールです。
お客様の期待と現実のギャップを、あらかじめ埋めておくという考え方です。

例で考えてみてください。

あるお客様が、写真を見て「窓から山並みが一望できる」と思って予約したとします。
実際に泊まってみると、晴れた日に、一部の部屋からだけ見えると分かりました。

この方はがっかりして「景色が期待外れ」と書くでしょう。

ですが、最初から
「お部屋によっては、晴天時に山並みを望めます」と正確に伝えておけば、
お客様は現実的な期待を持って来られるので、
「今日は曇りだから仕方ないな」と受け止めてくれます。

  • 部屋が狭い
  • 料金の割に設備が古い
  • 景色が期待ほどではなかった

これらの低評価は、すべて「想像していたものと違った」という心理的なギャップです。
施設の質そのものの問題ではありません。

言い換えると、低評価は「体験の悪さ」ではなく「予約前の情報の少なさ」から生まれます。
だから、直す場所は現場ではなく、予約前に見られている情報のほうです。

Googleマップで見るのは、この3つです

Googleマップで見るのは、この3つです

実例:評価2.8の温泉旅館

ある温泉旅館の事例です。Googleマップの評価は2.8でした。

口コミを分析すると、3つの問題が見つかりました。

  1. 混雑時のチェックインの待ち時間が長い\
  2. 温泉の温度が期待より低い\
  3. 部屋からの景色が写真と違う

最初は「どうしようもない」と思われていたそうです。
ですが、いずれも期待値のコントロールで大きく改善できました。

1. 待ち時間 → 事前に伝える

詳しく読むと、「待ち時間が予想外に長くてイライラした」という声が多くありました。
つまり、待ち時間そのものではなく、事前に知らされていなかったことが問題です。

そこで、予約確定メールに次の一文を追加しました。

週末・連休のチェックインの時間帯は混雑が予想されます。

ウェルカムドリンクをご用意しておりますので、ごゆっくりお待ちください。

公式サイトとGoogleマップにも同じ案内を掲載しました。
待ち時間は変えていません。伝えただけです。

ポイントは、「混みます」で終わらせず、待つ間の過ごし方まで書いたことです。
不便を伝えるときは、必ずセットで代わりに用意しているものを書いてください。
これがないと、単に印象を下げるだけの告知になります。

2. 温泉の温度 → 弱点を価値に言い換える

「温度が低い」という指摘に対しては、
その土地の温泉の特性として、肌に優しい、熱すぎない温度であることを明記しました。

そのうえで、「刺激が少なく、長く入れる温泉として地元で人気」という
価値の提示に変えました。

事実は変えていません。同じ事実の、どちら側を見せるかを変えただけです。

ただし、これは嘘を書くこととは違います。
温度を「熱い」と書けば、来たお客様が必ずがっかりします。
言い換えてよいのは、事実は変えずに、その事実が向いている相手を示すときだけです。

3. 景色 → 写真を部屋ごとに撮り直す

これが最大の問題でした。
公式サイトには「当館の景観」という写真が1枚だけ載っていたのですが、
それは実際には特別室からの眺めだったのです。

対策として、

  • すべての部屋タイプごとに、実際の眺望写真を撮り直す
  • 「〇〇側客室からの朝の風景」というように、部屋の位置・季節・時間帯を明記
  • 予約フォームに「お部屋からの眺望を重視される方は、ご希望をお知らせください」という欄を追加

正確な情報を出すことは、期待を下げることではありません。
その情報を見て予約した人は、満足して帰ります。

ギャップが生まれる場所は、だいたい決まっている

自館で洗い出すときは、次の6つを見てください。
低評価の原因は、ほとんどこのどれかに入ります。

見る場所起きやすいギャップ
代表写真一番良い部屋・一番良い季節の写真しか出ていない
部屋タイプの説明広さ・眺望・設備の違いが書き分けられていない
食事の写真品数や量が実際と違う。特別会席の写真が標準プランに使われている
大浴場・温泉時間帯の制限、貸切の可否、温度や泉質の特徴が書かれていない
到着・チェックイン混雑時間、駐車場、送迎の有無と最終時刻
周辺環境徒歩圏に何があるか。夜の飲食店の状況、工事や交通の音

とくに食事と部屋タイプは、写真1枚で全プランを説明してしまいがちです。
プランと写真が1対1になっていない宿は、必ずここでギャップが出ます。

自館で始める4ステップ

1. 低評価から「期待していたこと」を抜き出す

不満そのものではなく、その人が何を期待していたかを書き出します。
「風呂がぬるい」なら、期待は「熱い湯」です。ここが期待値のズレの正体です。

2. その期待が、どこで作られたかを探す

自館のサイト、OTAの掲載文、写真、予約メール。
その期待を作った表現が、必ずどこかにあります。
なければ「情報がないので勝手に想像された」ということで、これも原因です。

3. 直す文言を1つ決めて、全導線に同じ内容を入れる

公式サイト、Googleマップの説明文、各OTAの施設紹介とプラン説明、予約確定メール。
1か所だけ直しても効きません。 予約導線ごとに情報量が違うことが、そもそもの原因だからです。

4. 3ヶ月後に、同じ不満が減ったかを見る

平均評価は動きが遅いので、先に見るのは「同じ内容の低評価の件数」です。
これが減っていれば、平均評価は後から上がってきます。

「先に言うと予約が減る」のではないか

いちばんよくいただく質問です。結論から言うと、総数は多少減ることがあります。
ですが、減るのはそもそも満足しなかったはずの予約です。

  • ギャップを隠して予約を取る → 泊まる → 低評価がつく → 次の検討者が避ける
  • 先に伝えて一部の予約を逃す → 泊まった人が満足する → 高評価がつく → 検討者が増える

低評価は、一度つくと将来の予約を減らし続けます。
目先の1件と、その後ずっと効く星の数を比べれば、答えははっきりしています。

3ヶ月で2.8 → 4.0

施設そのものは大きく変えていません。
期待値をコントロールしただけで、3ヶ月で評価が4.0まで回復しました。

よくある間違い

  • 代表写真を1枚だけ使う。 部屋タイプごとの差がいちばんギャップを生みます
  • 不便を伝えず隠す。 隠した不便は、必ず口コミで書かれます
  • 不便だけを書いて、代わりの用意を書かない。 印象を下げるだけの告知になります
  • 公式サイトだけ直す。 OTA経由の予約者には届きません
  • 平均評価だけを見る。 先に動くのは「同じ不満の件数」のほうです

まとめ

  • 低評価の正体は、施設の質ではなく「想像との差」
  • 変えられない事実は、先に伝えるか言い換える
  • 写真は部屋タイプごとに撮る。1枚の代表写真がギャップを生む
  • 伝える先は全導線。公式サイトだけ直しても効かない
  • 正確に伝えることは、集客を弱めない。むしろ満足度を上げる